海外の日本語教育の現場では、多くの日本語教師アシスタント・ボランティアが活動しています。
日本語教師アシスタントとは
みなさんは、中学生・高校生の時などの英語の授業の際、日本人の英語の先生の他に、 エキストラのネイティブスピーカー(英語を母語とする人)の先生を授業に アシスタントとして迎えたことはありませんか?
それがアシスタントティーチャー(アシスタント教師)です。
日本の小中高校では、英語を母語としない先生、つまり日本人が英語を教えることが多いですが、日本人の先生だから、英語の発音や文法、自然な会話、文化紹介などはやはり限界があります。
それと同じで、海外ではその国の国籍の先生が「日本語の科目の先生(日本語教師)」となって、教えていることが多いです。例えばオーストラリアではオーストラリア人の先生が教えていたりします。
その現地の先生をサポートし、ネイティブ・スピーカーとして、正確な発音や日本の情報を提供するためにアシスタントは必要とされており、また文化交流の架け橋として大変有意義な役割を担います。
アシスタントティーチャーは、一般的には「日本語教師アシスタント/日本語アシスタント教師」や「日本語教師ボランティア」、「日本語教師インターン(インターンシップ)」「JAT:Japanese Assistant Teacher」などの呼称で紹介されています。
活動先は、日本語教育が比較的盛んな国、例えばオーストラリアやニュージーランドなどの小中高校などに留学プログラムの一環として派遣されるような形で活動することが多いです。
海外の日本語教育の現状
海外では、欧米圏でも小中高校でも日本語を第二外国語として選択できるよう学校のカリキュラムに取り入れていたり、 大学入試の外国語の選択科目として採用している国などがあります。
その教育内容は、国や教育機関によって異なっており、専門的に学ぶことを主な目的とする国・教育機関もありますが、多くの学校は 折り紙、習字、茶道、華道といった日本固有の文化を通じて日本のことを学び、日本への興味を持つことを主な目的とする教育方式を採用しています。
このような教育の現場では、日本語を母語とし、日本文化を熟知した日本人による教員の必要性が高く求められていますが、実際にプロ(有給)として海外で就労することは、例えば現地の四年制大学で履修し卒業しなければならない、またはそれ以前に就労できるビザをすでに持っている人限定 など、各国により定められた経歴や語学力、資格などの点から狭き門となっています。→[有給の日本語教師になるには?給料など]
日本語教師アシスタントの存在価値
そんな中、プロ(有給)としてではなく、日本語教育現場にてアシスタントとして現地の子どもたちに言葉や日本文化を伝えるべく世界中で活躍しているのが「日本語教師アシスタント」です。
海外の教育現場では財政難に苦しむ学校も少なくなく、アシスタントという無給ボランティアの存在がなければ、(世界的にはマイナーな言語である)日本語教育自体、廃止されてしまう可能性も否めず、アシスタントは海外での日本語教育、日本文化伝授の存続を支えている貴重な存在といえます。
「日本語教師アシスタント」とは文字通り現地教員のティーチング・アシスタントとして教壇に立ち、現地の生徒たちに日本語・日本文化を伝えるために、学校に迎えられた歴としたスタッフの一人です。アシスタントに最も必要とされるのは向上心と熱意と積極性であり、通常、経歴や資格は必須ではありません。
参加者が「日本人であること」にとても価値があるのです。
現在、数多くの「日本語教師アシスタント」が世界で日本に関する事柄の普及に貢献し、日本からの親善大使として日本と海外との国際交流に重要な役割を担っていらっしゃいます。
このような方にお勧め
1.留学派
- 年齢:20歳台
- 日本人であることを生かして国際交流に貢献したい方。
- 受身の語学留学ではなく、+αな現地密着型の「ほんとうの海外生活」を経験したい方。
- 日本人があまりいない環境で、英語力を伸ばしたい方。一般の語学留学よりも大変な分、特に、日本人が苦手のスピーキングやヒヤリング力が格段にアップします。
2.資格・専門派
- 年齢:20~35歳くらいまで
- はじめて日本文化や日本語を海外の子どもたちに教えて、交流してみたい方。
- 現在または将来、教職に携わり、海外の教育現場を体得したい方。
- 児童英語講師や小学校英語指導者資格(J-shine)の実践を積みたい方。
- 日本語教師養成講座420時間(通信教育等)を修了して、実技面を磨きたい方。
- 将来、日本語教師を目指している方(必ずしも参加時点で日本語教師や教員資格は必要ありません)。
日本語教師アシスタント活動の効能
現地の生活に密着し、通常の語学留学では味わうことのできない、現地学生・学校スタッフや地域住民とのふれ合い、また教壇に立つことの責任感などの体験を通して、英語力の向上はもちろんのこと、人間としての成長も望めます。「海外で長期生活し、働く」という充実感と感動を体験することができる、「一石何鳥」にもなる海外体験型(参加型)プログラム、それが日本語教師アシスタントプログラムなのです。
- 「受身」の留学ではありません。Give and Takeだから「感動」も2倍、3倍に!
語学留学はしたけど、現地の人とあまり交流できなかった。英語も上達しなかった。そんな経験ありませんか?そんな人は日本語教師アシスタントでリベンジ!日本を教えて英語を学び、その国も学ぶ。一石二鳥、三鳥、○鳥にもなる参加型・体験型の留学=日本語教師アシスタント。お客様型語学留学とは違うから得るものも大きい! - ほんとうのその国の生活が経験できます。
学校生活に溶け込み、商売での受入れではない、素朴でハートフルな一般家庭へのホームステイでほんとうの「感動ウルルン体験」。しかも滞在費用は通常のホームステイの半額以下だから、ふつうの語学留学よりもお得な海外生活が堪能できます!(→下記「海外生活まるごと体験レポート」参照) - まわりに日本人がいない環境で英語力もアップ
基本的には1学校1人の派遣です。英語漬けの毎日。空き時間は英語の授業に参加してみよう!(民間の語学学校に日本人を何人もつめこむよくあるアシスタント教師プログラムとは異なります!) - 国際文化交流を通じて、相互に人間的にも成長
長期海外生活をすることで、いろいろな価値観を吸収し、人間的にも成長します。真の国際人に!
日本語教師アシスタント・ボランティア 【募集要項】 | |||||
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カナダ | オーストラリア | ニュージーランド | イギリス | ドイツ | フランス |
日本語教師アシスタント 国別 留学費用 見積り比較|お申込みから出発まで |
日本語教師アシスタント参加のポイント・注意点
一般的に日本人旅行者やワーキングホリデー滞在者が行かない現地の公立・私立の小中高校で活動するので、他に日本人がほとんどいない英語漬けの環境で、語学力を格段にアップさせることができる、という留学的側面からもメリットがあります。
ポイント1:ビザ
一般的に欧米圏では日本よりも失業率が高く、失業率を高める外国人(つまり日本人)への就労ビザ発給はたいへん厳しくなっており、プロに関しては、日本人よりも「日本語を話せる現地国籍の人」を教師として優先して採用する傾向があります。
「海外で就職する」ということは、言い換えれば、「その国の人々の就職を邪魔している」とも言えるのです。
しかし、「無給のボランティアである=つまり現地の人々の就職を邪魔しない=その国の失業率を高めない」ということを条件に、ビザ発給が比較的ゆるやかで、最長1年までボランティア用ワークビザが発給されるのが日本語教師アシスタントです。(※ビザ発給条件・期間は国によって異なるので各国の募集要項をご覧ください。)
ポイント2:現地学校の財政難/中国語人気→日本語人気の陰り
現地の学校教育機関は財政難なところが多く、マイナーな言語で需要も少ない日本語のためにわざわざ正規の教師を雇う余裕のない学校がほとんどです。中には日本語クラスを廃止し、近年、人気のある中国語やスペイン語に予算を割く学校も増えてきています。そんな国際的な流れになんとか歯止めをかけているのが、無給のボランティアであるアシスタント教師です。アシスタント教師は海外、特に欧米圏での日本語教育、日本文化伝授の存続を支えている貴重な存在といえます。
これまで、数多くのアシスタント教師が世界で日本語や日本文化の普及に貢献し、日本からの親善大使として日本と海外との国際交流に重要な役割を担っていらっしゃいます。
ポイント3:若者向き「青少年の国際文化交流プログラム」
無給のボランティアといえど、日本語教師アシスタントは誰でも参加できるというものではありません。
まず、その活動的特徴から、男性を受け入れたい、という現地の学校はかなり少ないです。
さらに(女性であっても)年齢による“壁”も存在しています。
おおよそ30歳以上の方は年齢が増すほど、受入校はなくなっていきます。日本語教師アシスタントはその名の通り、「あくまでアシスタント」です。現地の日本語の先生は20代、30代とお若い方も多く、どうしても自分より年上の方をアシスタントとしては受入にくい、といった諸事情があるからです。
また、現地のどの先生も、学校の先生と生徒との間の「橋渡し」役的なものをアシスタントのポジションに求めています。
つまりアシスタントに適している年齢も、必然的に学校の先生と生徒との中間層=20代がベスト、ということになります。
どの国のどの学校も、「青少年の国際文化交流プログラム」という意味合いでアシスタントを受け入れてくださってますので、どなたでも参加できるわけではありませんので予めご了承ください。
→年齢について詳細:[日本語教師アシスタントの適正年齢]
その他Q&A:ボランティアからプロへステップアップしたい
Q. ボランティア活動を通して、本格的に日本語教師の道に進みたくなりました。今のボランティア活動をしながら、資格を取るよい方法はないでしょうか。
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A. こちらの日本語教師養成講座420時間は、通信教育ですので、働きながら、かつボランティアしながら、より専門的な知識を身に付けることができます。
実際、ワーキングホリデーなどで海外に滞在し、ボランティアをしながら資格取得を目指している方や、日本国内の日本語教室などでボランティアされている方などが受講されています。
この講座では、文化庁の「日本語教員養成において必要とされる教育内容」のシラバスに基づいた「420時間」のカリキュラムを履修します。
そして教材に含まれている教則本(日本語教師マニュアル)は、そのまま教壇で教える際のマニュアル本として使えるようになっています。
また、教材の1つ「日本語教育全書」内の付録:「日本語教師アシスタント準備要項」にて、「アシスタント教師を成功させるための方法」(内容;英語の使い方/派遣校のニーズに応えるにはどうすればよいか/トラブル回避とトラブルに遭った際の解決法/円滑な人的交流の方法と充実したアシスタント教師生活の心得/プログラム体験者の声など)を収録しており、本格的な教授法を学びながら、アシスタント教師としての円滑な実習ノウハウも短期に学ぶことが可能になりました。