みなさんは、カナダの日本語教師アシスタント・ボランティア・プログラムにどのような印象をお持ちですか?
説明会などでうかがうと、
2.ワーキングホリデーなどで簡単に参加できるプログラム
..と、この1,2の両極端の感想に出会うことがあります。
実際、オーストラリアやニュージーランドなどに比べると、カナダ含め北米では日本語教育はそれほど盛んではありませんが、しかし、日本語教師ボランティアを各国に派遣している身としては、カナダでの日本語教師ボランティア・プログラムの満足度は、他国にも引けを取らない、もしかしたら他国にも勝っていると感じる瞬間があります。
カナダ参加者の体験談
カナダの日本語教師ボランティアへの参加目的はさまざまですが、皆さんそれぞれの目標を達成して帰国されており、本日は参加者の体験談からいくつかご紹介したいと思います。
1.英語力アップ→海外駐在
日本語教師ボランティア参加者の多くは、ボランティア参加の目的の一つに、英語力向上をあげている方がたくさんいらっしゃいます。
実際、みなさんどのくらい英語力が上がっているのでしょうか?
昨年9月から今年6月まで1学年間参加された方からいただいたメールには驚きのTOEICスコアが見られました。「TOEIC935点獲得して、M社(大手電機メーカー)の海外営業部に内定しました。1年後にはアメリカまたはイギリスの海外駐在員として働ける予定です。」
2.大学生→休学→本気で教師に
日本語教師ボランティア参加者には大学生もたくさんいらっしゃいますが、大学を1年休学してカナダで活動をしながらゆっくりと将来について考え、新たな目標をもたれる方もいるようです。
1年間の日本語教師ボランティア活動終了後、バンクーバーオフィスまでお立ち寄りいただいた際、進路をうかがうと、
「大学でもう1年勉強します。教職課程も取得してはいたのですが、以前はその気はなかったのですが、本気で教師になろうかと考え始めています。」
社会人経験を積んだ参加者の中には、日本語教師ボランティア活動後に新たな目標を見つけられる方もいらっしゃいます。
3.現役の高校教師→勉強の楽しさを思い出した
日本では現役の高校教師で、市の日本語教室でもボランティアで日本語を教えていたこの方は、海外ではどのように日本語を教えられているかを学びその後の日本語ボランティア活動に役立てたいという目標をお持ちでした。
カナダでの活動中は「言葉の壁」という深刻な問題にぶつかりながらも前向きに過ごした結果、得たものは目標以上の大きなものだったようです。
「帰国直前のある日、(カナダの)派遣校の近くの公立高校で日本語の授業に飛び入り参加しました。
生徒たちは実に楽しそうに勉強している。
ふと自分が日頃行っていた授業を思い出しました。
生徒たちはあんなに楽しそうにしていただろうか
カリキュラムなどさまざまな制限のある中でどうやったら生徒が楽しく勉強でき、自分も楽しく教えることができるか、それを考えなければならないのだと思いました。
今年、私の教師生活は13年目に突入し、高校二年生を受け持つ予定です。日本語教室のほうは3月に修了生を送り出し、4月から新しい生徒さんを迎えます。いつもと同じ生活ですが、通信教育で日本語教師や司書の資格を取ることにもしました。英会話の勉強も新たに始めました。日本語アシスタント教師としてカナダで生活したことが私の自信につながりました。まだまだ何でもできる、ということを知り、勉強の楽しさを思い出した。今は何か新しいことを始めたくて仕方がありません!」
4.人生リセット→自信を取り戻した
最後にご紹介するこの方は、英語が話せるようになりたいという理由に加えて、自分の自信を取り戻したい、自分のことを全く知らないところで、しかも日本人もいないところで失敗しても思いっきり自分を試してみたいという理由からこのカナダの日本語教師ボランティア・プログラムの参加を決められました。
「私が行った学校は、生徒数50人弱という幼稚園併設のとても小さな学校でした。山の中の学校で、日本がどこにあるかすら知らない子どもたち、日本人が来るのも始めてという学校でした。すべてのカリキュラムや内容を自分で決めなくてはならなかったので、私にできるか不安でしたが、先生方のアドバイスや、何よりも子どもたちが授業に興味をもって喜んで受けてくれたことでやり通すことができました。4ヶ月という短い期間ながら余計なことを考えず、純粋に毎日一生懸命過ごしていたと思います。自分に自信は完璧というわけではありませんが、私でも人の役に立てるんだ、という自信を持つことができたことはとても大きな宝です。」
以上、1~4の4名の日本語教師ボランティア参加者をご紹介しました。
みなさん、得たものは人それぞれですが、かけがえのない体験を体得しました。一度体で覚えた経験は、どんな泥棒でも持ち去ることはできません。経験は一生モノです。
日本語アシスタント教師プログラムは、ふつうの語学留学と違い、日本人があまりいない環境の下、異文化の生活に飛び込んで、現地の人たちとのふれあいを通じてさまざまな経験を積むことができます。
語学留学より教師としての責任もあり、大変な分、がんばって打ち込んだ分は人それぞれいろいろな形となって、必ず戻ってくるということは確かなようです。
日本語教師ボランティアを修了されたあと、日本への帰国の途につかれるみなさんの自信に満ちた目やふるまいを、とても頼もしく感じます。
▼カナダへ年3回(1月/3月/9月)出発
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