カナダ日本語教師ボランティアの役割と心構え

年間通じて比較的穏やかな気候で知られるカナダ・バンクーバーではありますが、9月に入って気温がぐっと下がるようになってきました。日中は、お天気ならば22、23℃まで上がりますが、朝方は10℃位まで下がり薄手のジャケットでは肌寒い程です。

この時期、バンクーバー在住者は、服の選択に迷うのですが、カナダ人は上手にlayers(重ね着)をしている人が多いようです。冬でも家の中やオフィス内は暖房が十分に効いていて暖かいので、Tシャツでいるカナダ人をよく見かけるのはこのためです。

さてカナダのバンクーバーの現地オフィスでは、先日、9月2日から1週間、カナダの日本語教師アシスタントの現地オリエンテーション&準備研修が行われました。

役割と心構え

準備研修のプログラムの中に、「日本語教師アシスタント・ボランティアとしての役割と心構え」という項目があり、カナダ各地の派遣校で期待されているいくつかの役割を学び、心構えを作っていきます。今回はそのうちの2つの役割をご紹介します。

　1.日本語のネイティブ・スピーカー

まず、日本語を学ぶカナダの生徒たちにとって、日本語教師アシスタント・ボランティアは、『日本語のネイティブ・スピーカー』としての貴重な役割があります。

最近は、日本語教師養成講座を修了して、日本語教師としての資格をもった参加者の方も増えていますが、日本語を教えた経験の有無に関わらず、生徒たちからは文法の質問を受けたり、また担当教師から「なぜ、そのように言うのか」と、専門的に説明するようにお願いされたりすることもあります。

私たち日本人は日本語を文法によって身につけてきた訳ではありませんので、多くの日本語教師(ボランティア)の人は、文法をしかも英語で教えることの難しさを実感しているようです。時には自分の宿題にして、次の時間までに調べてくるということもしているようです。「わかりません」では、生徒たちをがっかりさせてしまう事になります。

　1.日本文化を知るための生きた教材

日本語だけに限らず、『日本文化を知るための生きた教材』としても大いに日本語教師アシスタントは期待されています。

トロントやバンクーバーといったカナダの大きな都市では、日本人に出会うのもめずらしい事ではありませんが、いったん都市を離れれば、カナダ人にとって、日本はまだまだ遠い国。
ですので、「日本文化に触れることが初めて」という生徒たちが沢山います。

そのような環境では、「日本語教師アシスタントに聞けば日本のことは何でも知っている」と生徒も先生たちも期待しており、「日本語教師の一挙手一投足」＝「日本のすべて」に映ってしまう、といっても過言ではありません。日本代表としてカナダの各都市で重責かつやりがいのあるポジションを日本語教師は担うことになります。まさに草の根大使の真骨頂です。

前学期でしたが、ある20代の女性アシスタント教師の方は、子どもたちに囲碁を教えて欲しいと頼まれ、頭をかかえてしまい、Emailでアドバイスを求めてこられました。よほど興味がなければ、囲碁について教えられる人は日本人でも少ないのではないかと思います。
2人(参加者とサポートスタッフ)でインターネットで”IGO”を検索し、その方法を探りました。その結果、子どもたちでも楽しめる一番簡単な方法を見つけ、碁盤を作って子どもたちに紹介することができました。

このようにカナダの生徒たちの好奇心ははかりしれず、その期待の大きさは皆さんが想像する以上です。

しかし、実際に多くの日本語教師海外派遣プログラム参加者の人たちは、「思ったよりも日本を知らなかった」と実感しているのが現実です。このGapを埋めるには、日本語教師活動に携わる皆さんの努力が必要になってくるのは言うまでもありません。

日本語教師アシスタントの準備に適した通信講座

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■カナダの日本語教師アシスタントの学校生活
■カナダの日本語教師アシスタントの授業風景