ドイツの日本語教師アシスタント・プログラムの参加者のみなさんの「声」、体験レポートをご紹介します。
ドイツの学校生活
ドイツと日本:川と海
ドイツの学校生活・・・ではないのですが、こちらに来て思うこと。それはドイツは、「川」を中心に生活や文化が成り立っているなぁ、内陸文化だなぁ、ということ。ライン川はじめ、生活のいたるところに川が登場し、川を利用しての物流の発達、そしてどこかに移動するたびに、川を目にし、川を渡ります。それに比べると、日本はやはり「海」に根ざした文化だと感じます。スシ文化とか海の幸の典型じゃないでしょうか。
あと、先日、日本に一時帰国したときに痛烈に感じたのは、日本は物価がやすい、ということ。ユーロ高も手伝って、日本はすさまじく物価が安く、そして食べ物がおいしく感じます。全体的にヨーロッパの2/3ぐらいの物価安じゃないでしょうか。一緒に帰国したドイツ人の友人も、「安い、安い!」を連発してました。日本を訪れる外国人観光客が増えているのもうなずけます。(KSさん、ドイツ・フランクフルト郊外のギムナジウムで日本語教師ボランティア)
タンデム・パートナーと切磋琢磨
デュッセルドルフのコミュニティで知り合った日本語を勉強しているドイツ人女性とタンデムパートナーとなりました。私は彼女に日本語を教え、彼女は私にドイツ語を教えてくれます。私は12月にZertifikat Deutsch(ZD:ドイツ語基礎統一試験)の筆記と口述試験を、彼女は12月に日本語能力試験を受けました。毎日ドイツ語でEメールをやりあい、手紙も添削してもらったり、2人でお互いの母語を教えることで、よい刺激になってますし、格段にボキャブラリーやドイツ語特有の言い回しを覚えられるので、とても助かってます。(SNさん、ドイツ・デュッセルドルフのギムナジウムで日本語教師アシスタント)
ドイツで落第
ドイツの学校は、みんなが横並びで進級していく日本とちがって、けっこう落第する生徒が多く、みんな落第を「ふつうのこと」と考えてます。実力がないのに無理に上のコースに上がって苦しむよりかは、「実力がないんだからそれに見合ったコースに行けばよい」、といった考え方のようで、それはそれで一理あるのかな、とも思います。私が日本語を教えていた生徒も落第してしまい、心配していたら結構あっけらかんとしていて、その生徒や親から、学期末にお花やプレゼントをいただきました。授業中、私の話をまったく聞いてないようなヤンキー生徒からも「ありがとう!」って花をくれて、驚きました。(KSさん、ドイツ・フランクフルト郊外のギムナジウムで日本語教師アシスタント)
多国籍なスタッフルーム
私の派遣校は、外国語教育が盛んで、というか、専門的にやっているため、各国語別にスペイン、ロシア、アメリカ、イギリス、中国からのアシスタント教師がそれぞれいて、結構、スタッフルームは多国籍に富んでます。ドイツという母国とは違う慣れない環境でそれぞれの国の言葉を教えながらドイツ語も学ぶ、という同じ環境の下、励まし合えるアシスタント教師同士の仲はとてもいいですね。彼女たちにめぐりあえたことをとてもラッキーだと思います。そんな私たちの共通語は英語。改めて日本語教師としての英語の必要性もドイツに来て感じてます。(NYさん、ドイツ・ベルリンのギムナジウムで日本語教師アシスタント)
VHSを利用
先月から地元のVHSの夜間ドイツ語講座に通い始めました。派遣校の日本語の先生(ドイツ人)は、日本語が思った以上にできなくて、授業中もやはり間違ったことを教えていて、訂正・補助したいのですが、私のドイツ語もおぼつかなくて・・・なかなかコミュニケーションが難しいものがあります。とりあえず私のドイツ語力をアップさせることが先決なので、がんばります。(KHさん、ドイツ・ハンブルクのギムナジウムで日本語教員ボランティア)
※VHSとは?・・・VHSとはVolkshochschule、ドイツの各市や自治体が催している、油絵などの芸術講座やスポーツ講座、ドイツに来た外国人を対象としたドイツ語コースなどを各地域のカルチャーセンターなどで比較的安い授業料で提供している公立の市民講座。VHSのweb(http://www.vhs.de)で場所や時間割など調べることができます。
日本文化クラブAG開拓
ギムナジウム校内に何ヶ所かある掲示板で、「日本語講座」「折り紙講座」「書道講座」「剣道講座」など日本語や日本文化に関する講座をいくつか告知して、希望者を募りました。
すると、予想外にドイツの子どもたちや保護者、先生方がどの講座にもとても興味を持ってくれて、多くの生徒が集まってきてくれました。講座の内容以上に、「日本人(私)」そのものに興味を持って集まってきたところもあるようでした。
ただ、あまりに集まった人数が多かったため、教室の広さの問題や、私一人で多くの生徒の面倒をみることができないなどのうれしい悲鳴が。そのため、同じ講座を曜日や時間をずらし、クラスをいくつかに分けて再度設定し直したりと、かなり調整に手間がかかってしまいました。
AGでの日本講座の設定、準備から運営に関して、時間的にもかなりたいへんな面もありましたが、大変そうな私を見かねて、学校の先生方もいろいろと協力してくださり、なんとかやりこなすことができました。
実際にドイツ人の先生方に協力頂き、一緒に取り組めたことで、ドイツ人の仕事の進め方、ものの考え方等学ぶこともでき、収穫でした。とにかく自分から動いてみることですね。
ドイツでの緊張の活動初日・・・
初登校日、まず職員室で先生方を前にドイツ語で自己紹介をすることに。これまで、日本語でも人前で挨拶をする経験がなく、しかもそれをドイツ語ですることは、私にとってはとても緊張でしたが、それはまた、忘れられない経験になりました。
その後、ギムナジウム内の各クラスを回り、それぞれの科目の授業を聴く機会をもらいました。あるクラスの社会科の授業で、たまたま環境問題に関しての授業を行っていましたが、先生はできるだけ生徒に考えさせ、生徒から意見を引き出すようにしていたことが、日本の授業の内容と大きく異なることだと印象に残りました。
最初の約一週間は、雰囲気に慣れるため、各クラスの授業見学だけにしてもらいました。2週目以降からは、実際に自分で授業を行っていくことになりました。私の派遣されたギムナジウムでは、正課としての日本語の授業はなかったので、コンタクトスタッフである副校長先生に、今後どのように授業を行っていくかを相談し、放課後のAG(アーゲー:クラブ課外授業)の時間帯をもらい、この時間を使って授業を行うことになりました。(HYさん、ドイツのノルトライン・ヴェストファーレン州のギムナジウムで日本語教師アシスタント)
ドイツ関連Q&A
活動に参加するには
Q. ドイツの学校で日本語を教えるボランティア活動をしてみたいのですが、どうすればよいですか?
↓
A. ドイツでの日本語教師アシスタント・ボランティアにご参加いただくには、こちらのドイツ日本語教師アシスタント募集要項にそって、参加条件を満たしている必要がございますので、お読みいただけますと幸いです。学校内の責任あるポジションで、児童等にも関わる仕事ですので、どなたでも参加できるわけではございませんので、ご理解賜れますと幸いです。
ドイツで より専門的な日本語教師の勉強をしたい
Q. ドイツでワーホリで滞在しています。3ヶ月前からマンツーマンでドイツ人に日本語を教えることになったのですが、意外となかなかうまく教えられません。日本人だから日本語を教えられる、というわけでもないようですね。限界を痛感しています。しかし、ここにいながら専門的な日本語教師とかの勉強ができる学校もなく困っています。一旦、帰国するわけいにもいかず・・・。何かよい方法はないでしょうか?
↓
A. こちらの通信の420時間の日本語教師養成講座でしたら、ドイツにいながら、日本語を教えるスキルを学べます。これまでもドイツご在住の受講生はたくさんいらっしゃいます。
この講座では、海外でも役立つよう、外国語を媒介として日本語を教える間接法も学習するとともに、文化庁のシラバスにそった420時間のカリキュラムを包括的に学び、修了時には「420時間の修了証書」も授与いたします。
教材はテキスト類が最初にドイツのお住まいまで届き、その後はEメール等を介しての添削授受になりますので、通信手段が確保できる場所なら、ドイツのどこからでもいつでも受講可能です。ワーキングホリデーなどで途中で引っ越しても受講継続可能です。
期間は早い方で半年ほど、通常は7,8ヶ月~1年弱程度で修了される方が多いですが、期限は1年半と余裕を持って設けてありますので、ドイツで働きながらでも、子育てをしながらでも、ご自身のペースで無理なく受講を進めることができます。
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