質問
Q.日本語教師になりたく、資格を取りたいと思っています。日本語教育能力検定試験の合格を考えましたが、検定は今後扱いが変わるとのことで、日本語教師養成420時間講座のほうを受けたいと思っています。しかし、私は地方に住んでおり、私の地域には通学できる日本語教師養成講座はありません。ちなみに四年制大学は卒業しており、420時間講座を修了すれば、有資格者の要件は満たせます。地方から日本語教師を目指す場合、何か良い方法はありますでしょうか?よろしくお願いいたします。

回答
A. その場合はeラーニング(イーラーニング)を提供している、文化庁届出受理の日本語教師養成420時間講座を受講することをオススメいたします。

講座の3本柱

eラーニングとは、文化庁届出受理講座のリスト
http://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kyoiku/kyoin_kenshu/pdf/kyoin_kenshu_list.pdf

に「通信」と記載されている講座のことで、座学(テキストを使っての講義)の部分を、「実際に学校に通学して履修する」ではなく、ネット配信やDVD等で代替的に学習する方法です。

eラーニングも資格として認められるのか?

文化庁に届出受理されている通り、この「通信」(eラーニング)も公式な学習方法として認められており、実際に通学で講義を受けたものと同等とみなされます。学士修了者がこの講座も修了すれば、正式な日本語教師資格として認められることになります。

これにより、通常半年から1年程は通学する必要があった文化庁届出受理の日本語教師養成420時間講座の3分の1くらいは、通学で受講する必要がなくなり、eラーニングで代用できるようになりました。

eラーニングコース

【注意点】

  • 文化庁届出受理講座で、すべて通信で修了できるものはありません。「通信」(eラーニング)で端折ることができるのは座学の部分だけです。どちらにしても後半の座学の一部や「教育実習」部分は、通学(対面実習)が必須となっていますので、残りの実習(3ヶ月ほど)はなんとか時間を工面して、頑張って「通学」して「実習」を受ける、ということになります。
  • 上図はあくまでイメージで、選択コースや個人のペースにより異なります。概ね6ヶ月~1年程で修了するのが一般的です。

実習は有利

面倒と思うかもしれませんが、「実習を受ける」という点が、日本語教師の資格の中で、日本語教師養成講座が一番、秀でていて有利とされる所以です。

こちらの日本語教師の資格はどれが有利か?でも挙げているように、採用の際に、日本語教師養成講座でしっかりと実習を受けている人は有利になります。

採用面接の際の模擬授業と、即戦力としての評価が得られるためです。

他の2つの資格は以下のような弱点があります。

  • 日本語教育能力検定試験の弱点→実習がない。ペーパーテストだけ。
  • 大学で専攻/副専攻→実習が弱い。

これまでは日本語教育能力検定試験にさえ受かっていれば、一応、日本語教師の有資格者となる、という道のりがありましたが、国家資格(登録日本語教員)制度が始まると、「検定合格さえしておけばOK」という道のりは閉ざされてしまいます。

今後は「実習」と「四大卒」が重要

国家資格(登録日本語教員)制度化で一番、重要視されている点は、「日本語教師の質」の確保であり、その「質」の担保として「実習」と「四大卒(以上)」が重要視されているという特徴があります。

四大卒以上 + 実習 を重点化することで「日本語教師の質」を担保しよう、というのが、今回の国家資格(登録日本語教員)制度の一番のポイントとなっています。

そのため、日本語教師を目指す場合は、実習は避けて通れませんので、数ヶ月かかってでも頑張ってなんとかその登竜門をクリアするしかありません。

eラーニング講座の無料説明会に参加してみる

「すべて通学」で受講するにしろ、座学を「eラーニング+後半:通学で実習」で受講するにしろ、現実的・物理的に通うことができなければ意味がありません。

そこで重要なのが、申し込む前に養成講座の学校に実際に自分で「行ってみること」が大切になります。

良さそうな学校だからといって、遠くの学校を選んでしまうと、日本語教師養成講座は長丁場ですし、模擬授業の準備など宿題もあり、途中で挫折してしまう可能性があります。

実際に行ってみて、なんとか数ヶ月程度なら物理的に通えそうなら、その講座を選択肢の1つにすればよいでしょう。

選択肢が多い講座は?

但し、「通学」または「eラーニング」の選択肢も設けているスクールで全国展開している所はあまりありません。

文化庁届出受理の日本語教師養成講座で、一番、全国展開しているのがヒューマンアカデミーで、以下のように全国各地に校舎があり、前半:eラーニング+後半:実習 の組み合わせも可能です。

校舎

全国展開しているので、eラーニング後の通学実習も、比較的近くの校舎を見つけやすい、というメリットがあります。

不安な方は、資料請求だけでなく、一度、土日祝日などのお休みを利用して、近くのヒューマンアカデミーで無料説明会などに参加してみるとよいでしょう。

→ヒューマンアカデミーの無料説明会・資料請求はこちら

無料説明会は、以下のような画面で、比較的いろいろな時間帯を、ご自身の都合に合わせて選べるようになっています。

説明会日程→無料説明会の会場や日程を見てみる

eラーニングでの受講は、こんな方々に需要があるようです。

  • 通える範囲に養成講座の学校がない
  • 働いているので通学時間をあまり確保できない
  • (女性が多い)あの独特な座学の雰囲気にちょっとなじまない

スマホなどのITインフラの普及で、この数年は、eラーニングという学習形態はかなり一般化してきました。さらに新型肺炎をきっかけに、テレワークなど働き方改革・通学改革の必要性が求められることになりました。何かを学ぶのに、わざわざ物理的に学校に通う、というスタイルは、近い将来、少なくなってくるのではないでしょうか。

eラーニングでご自身が学んだという体験は、オンラインで日本語教師をやる場合などにも役立つことでしょう。日本語教師養成講座でも、ぜひeラーニングという形態を活用してみることをオススメします。