学歴

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Q. 短大か大学か進路について

質問
Q.幼児教育や日本語教育などに興味があり、それ系を専攻したいと考えてるんですが、大学(四年制大学)進学か、短大か、で迷っています。将来は海外の幼稚園で有給で働きながら、いろんな国に住んでみたいんですが、有利な進路、お勧めの資格などはありますか?

A. まずは四大卒を

回答
A. (無給ボランティアではなく、海外でお給料をもらいながら働きたい場合は)幼児教育系(保育士や幼稚園教諭)にいくにしろ、日本語教育系(日本語教師など)にいくにしろ、まずは四年制大学卒業をクリアしてください。

ビザの壁は年々 高くなる傾向

といいますのも、実際の海外の幼稚園の求人などをチェックするとわかりますが、海外で幼稚園教諭や保育士、日本語教師として就労する際、まずその国の適正なビザ(就労ビザ等)を取得しなければなりません。
そのビザの取得条件(採用条件)が四大卒以上になっていることが多く、短大卒だとビザが取れない、または「短大卒+3年以上のフルタイムでのクラス担任経験者」といったように、短大卒だといろいろと追加条件が課され、不利益をこうむることが多いからです。

ビザが取れなければ、いくらその勤務先に内定をもらっても働くことはできません。

比較的求人が多く、日本人の就労先の国として一般的な中国でさえ、2012年頃から、短大卒の幼稚園教諭経験者でもビザ取得が困難になってきました。

実際、先日も中国のある幼稚園からこんなお便りを頂戴しました。

私達の運営している幼稚園がある中国でもビザ発給の条件が年々厳しくなってきている状況です。最近では4年制の大卒が一つの条件として固定化しつつあるため、日本の短大卒の幼稚園教諭経験者でも難しくなっています。それでも、年々増えている日本人家庭のお子様をお預かりする役目もあり職員探しは今一番の重要課題です。

短大卒の就職希望者の方のビザがなかなか認められず、人材確保が厳しい現地の状況がうかがえます。

また、マレーシアでの幼稚園教諭の求人における採用資格も以下のように変遷してきています。

2018年9月まで:短期大学以上を卒業し、3年以上の経験者

2019年4月まで:短大卒は5年以上、4年制大卒は3年以上の経験があること

2022年5月まで:マレーシア政府の「外国人教員、就労規定」により、短大卒の場合は5年、四大卒の場合は3年以上の幼児教育・保育経験を有すること。

2022年12月以降:マレーシア政府の「外国人教員、就労規定」により、四大卒で3年以上の幼児教育保育経験を有すること。(短大卒は不可

一般的に、どの国も、国の発展に伴い、外国人労働者の流入を制限するようになり(ビザ発給条件が厳しくし、自国内の労働者を保護する)、より学歴が高い高度人材のみを優遇するようになります。

発展著しいアジア各国ですので、今後も、「これまで短大卒でもOK」だった国の求人も、「短大卒不可、四大卒以上」と変わっていくことになるでしょう。

保育士 よりも 幼稚園教諭

また、実際の幼児教育の求人などでは、保育士資格よりも、幼稚園教諭免許のほうを求めている求人のほうが多いため、もし幼児教育分野に進むのであれば、四年制大学で、幼稚園教諭免許を取得できる課程に進まれるとよいでしょう。

その他、小学校教諭免許があれば、海外でも就職先の幅が広がります。海外でも幼稚園などのプレスクールを併設した幼少中一貫の日系の学園などがあるからです。

日本語教師の資格は後回しでも可

日本語教師のほうはとりあえず四大卒しておけば、後回しで資格取得はできます。日本語教師は新卒採用市場ではありませんので、四年制大学を卒業していれば、社会人になってある程度社会経験を積みながら、20代後半や30才ぐらいになってから日本語教師養成420時間講座や日本語教育能力検定試験などをパスして目指しても遅くはありません。

日本語教師はどちらかというと、ある程度社会経験があったほうが評価され、仕事に役立たせることが多いです。(新卒だと日本語教師としてのビザが取れない国もあります。)

また、日本の大学はすでに定員割れを起こしており、生き残りをかけて、外国人留学生の獲得に必死です。日本語教師は、EJUなど日本の大学への進学を目的とした海外の学生に、大学入試科目などを教えなければならない機会も多くなってきていますので、その意味でも、日本語教師になるには、自身が大学に入る勉強を経験し、大学生活も知っておかなければ、日本語教師としての説得力がありません。

以上から、とりあえずは、まずは四年制大学卒業(四大卒)を目指すことを推奨いたします。