このページでは、ドイツで日本語教師になるための資格やアルバイト・フルタイム、給料などの待遇、求人情報などについて記載しています。
目次
- ドイツでなるには(概要)
どこでなるか
┣ギムナジウムなど初等・中等教育機関
┣大学など高等教育機関
┗語学学校やVHSなど - 関連Q&A
ドイツで日本語教師になるには?
ドイツ国内でも、まず「どこで日本語教師として働くか」によって様々です。
しかし、全般的に言えることは、あいにく欧州の他国の例に漏れずドイツでは日本語教育はそれほど盛んではないため、日本語教師の全体的な数自体、少ないです。
(日本語教育がさかんなオーストラリアやニュージーランドでも難しいことですので)ドイツで日本語教師になるのはさらに難しいです。
ドイツ含め、欧州での日本語人気のピークは日本がバブル期だった1980年代に端を発し、1990年台に選択外国語の1つとして日本語を取り入れる教育機関が増えたものの、それも2005年頃までの話。現在では日本のJ-pop(サブカルチャー)人気はあるものの、それも日本語教師など日本語を教えることで生計を立てられるほどの強い需要創出には至っていません。
ちなみに、ドイツで日本語教師を含めた日本語教育に携わる教師の半数以上は日本人である場合が多いですが、あくまで臨時の講師として教えている場合が多く、日本語教師だけで生計を立てるのはとても難しいものがあります。
「ドイツのどこで日本語教師として働くか」
1.ギムナジウムなどの初等・中等教育機関でなるには?
ドイツの日本語教師の資格・採用方法
ドイツの初等・中等教育機関で外国語の選択肢として日本語の授業を提供している機会は、一般的にギムナジウムでのAG(アーゲー:課外活動)になります。→[ ギムナジウムなどのドイツの教育制度 ]参照。
ドイツの公立・私立校でギムナジウムなどで有給の日本語教師になるためには、通常、ドイツの大学で教員養成課程を修了し、2教科以上の教員資格を取得しなければなりません。
また、その大学での教員養成課程も日本の大学での同課程よりも長く、ビザの問題もあるため、公立・私立のギムナジウム等の中等機関で、日本人が日本語教師になるのは狭き門と言えます。
但し、無給のボランティアであれば、その限りではなく、ドイツの日本語教師アシスタント・ボランティアでギムナジウムなどで活動することは可能です。
日本人の日本語教師の採用
加えて、日本人=ネイティブ・スピーカーという理由だけではドイツ人に比べて、より日本語教師として採用されやすいということにはなりません。むしろ、失業率が高いドイツにおいて、言葉(ドイツ語)の問題やドイツでの初等・中等教育を受けていないことを理由にどちらかと言えばドイツ人より不利な立場になる傾向があります。
そのため、ドイツで日本語教師をされている方は、ドイツ人と結婚した配偶者など、ドイツ国籍やドイツで就労できる適切なビザを所持している者に実質的には限られているのが現状です。
2.大学などの高等教育機関でなるには?
先述のように、ドイツでは日本語教師や日本語教育専門学習者を養成する機関がほとんどありませんので、大学で日本語を教えている方々のほとんどは、日本の大学で日本語教育関連の学位(修士号)を取得した日本人や、日本の大学で日本語教育関連を学んだ後、ドイツの大学で言語学や教育学の学位を取得した日本人の教授が多いです。
また、これはドイツに限らず欧米圏のすべての大学勤務に言えることですが、欧米圏の大学では、「日本語を教えるために勤務する」と言うよりは、「日本の文学や芸術などの特定の研究分野での唯一無比の功績が認められた人物(研究者)」が、その研究分野の研究及び講義する傍ら、「週1,2回程度、ついでに日本語も教える」というパターンが多いので、単に「日本語を教えたい」というだけではなかなか大学勤務は困難なのが実状です。
3.ドイツの民間の語学学校やVHSで日本語教師になるには?
ドイツの民間の語学学校
ドイツの民間の語学学校などで日本語クラスを提供している学校はほとんどありませんが、民間で教師として働く場合は、特に規定はありません。
一般的には「ドイツで就労できる適正ビザをすでに持っている者」を対象として、以下A~Cのいずれかの資格に加えて、「経験」と「語学力」を求めている場合が多いようです。
- A.日本語教授法(日本語教師養成)420時間講座の修了者→この[養成講座をリストで比較]
- B.日本語教育能力検定試験合格者
- C.日本またはドイツの大学にて日本語教育専攻または副専攻等
そのため、ドイツ在住者やワーキングホリデーや留学で滞在されている人は、以下の日本語教師養成講座などを受講して、日本語を教える知識やノウハウがあることの証明として活用される方もいます。
VHS
VHSとはVolkshochschule(フォルクスホッホシューレ)で、いわゆる日本でいうところの市町村などの地域の自治体が運営しているコミュニティセンターやカルチャーセンターでの市民講座のことです。→http://www.vhs.de
ドイツで活動する日本語教師ボランティアの方々も、ドイツ語習得に、こうしたVHSの夜間ドイツ語講座などを活用しています。→参考:[ ドイツの日本語教師の学校生活 ]
そうしたドイツの一般成人を対象としたVHSの夜間講座などでも日本語学習者がドイツ全土で4000人ほどいると言われています。
そのVHSで日本語教師になる(日本語を教える)には、その各地域のVHSが求める条件にもよりますが、一般的には、ドイツ国籍ないしドイツで就労できる適正なビザを所持している者が最低条件として求められるため、現実には、ドイツ人と結婚した日本人配偶者で日本語教師関連の有資格者が、機会に恵まれ「運よく」VHSで教えるようになった、というケースがほとんどです。
但し、VHSは単発的・短期的な講座が多く、VHSの講座のみで日本語教師として生計を立てていくのは実質不可能です。
むしろ日本語教師よりも幼稚園教諭のほうが、ビザサポートがあるフルタイムで働けて日本にも求人が寄せられるものが多いと言えるかもしれませんので、「どうしてもドイツなど欧州で働きたい」場合、幼稚園教諭免許などを取得しておくとよいでしょう。
以下はご参考までに過去の求人情報です。
ドイツ関連Q&A
ドイツでは日本語はどのように教えられているのか?
Q. ドイツで日本語が教えられているのがイメージできないのですが、ドイツでは日本語はどのように教えられていますか?
↓
A. ドイツで日本語レッスンを提供しているのは、上述の通り、ギムナジウムかVHSがメインになります。また、日本語の教え方ですが、これはドイツに限らず欧州及び欧米圏全土にいえることですが、基本的に間接法でのレッスンが一般的です。間接法とは、学習者の母語を使って日本語を教えることです。つまり、ドイツではドイツ語(一部英語も可)を使って日本語を教えるということになります。そのため、どのような機関であれ、ドイツで日本語を教えるには相応のドイツ語力が必要となります。
ドイツで日本語教師養成講座を勉強したい
Q. ドイツ在住の者です。この度、近くのVHSで日本語を教えてみないか、と頼まれたのですが、うまく日本語を教えられる自身がありません。日本語教師養成講座などで体系だてられた日本語教授法を学びたいのですが、ドイツにはそういった学校がありません。何かよい方法はありますでしょうか。
↓
A. こちらの通信の日本語教師養成420時間講座はドイツからも通信(インターネット/Eメールなど)で受講でき、これまでも欧州方面では、特にドイツ、フランス、イギリスの3ヶ国に多くの受講生が誕生しています。
ドイツでも役立つ外国語(英語)を媒介として日本語を教える間接法での日本語の教え方も学習でき、期間は早い方で半年程、通常は7,8ヶ月~1年弱程度で修了される方が多いです。
→この日本語教師養成講座の|お問合せ・資料請求|仮申込(見積依頼)|
ドイツへ留学やワーキングホリデーで渡航される方から長らく在独の方まで、以下のような様々な受講動機で皆さん、日本語教師養成講座にて学んでいらっしゃいます。
20歳台
日本語を教えるのが好きだった
今ドイツに住んでおり、将来的に海外で仕事をしたいと思っているため。また日本語を教えることが日本にいる頃から好きで、本格的に教え方を学びたいと思ったため。(Salzgitter/ザルツギッターご在住の24歳女性)
渡独に合わせて
6月上旬に渡独予定があり、それに合わせて学習を開始したいと思っています。はじめは語学学校でドイツ語を学習しますが、将来的には日本語教師として働けたらと思っております。(愛知ご在住の26歳女性)
子どもやパートナーに教えたい
ドイツに長期住み、ケア系の資格を取得し、現地の幼稚園、小学校、養護学校などで勤務した経験を生かし、これからも同じような分野で、更に活躍の場を広げるために、受講を希望させて頂きました。自分の子どもにも、しっかりとしたきれいな日本語を使えるようになってほしいし、パートナーの日本語習得のために、力になりたいという気持ちもあります。このような様々な理由から、日本語の素晴らしさを伝導できる人間になれるよう、この受講を通じて自分自身も成長できるように精進したいと思っています。(Meerbuschご在住の26歳女性)
30歳台
仕事の幅を広げたい
現在プライベートで初心者に日本語を教えているが、もっと専門的な知識を高めて、より良い授業にしたいため。最終的には試験を受けて資格を取り、仕事の幅を広げたい。(Heidelberg/ハイデルベルクご在住の30歳女性)
在宅・語学分野で食べていきたい
受講動機は以下の3点です。
- 在宅かつ語学分野で食べていきたいと考えており、現在専門分野を開拓中で(翻訳・校閲の仕事をしています)、日本語教師もその一環として。
- 日本語学習中の欧州人のパートナーや(将来、もし子に恵まれたら)子供に日本語を教える上で、専門知識が不可欠だから。
- 留学・就労を通して虜になった東南アジア某国にも拠点を持ちたいと思っており、日本語教師の資格はあったら有利になると思うから。
日本語講師の現実をみつめ、正直に業界の話も書いてくださるところに御社の誠意を感じました。シラバスの目次をみてワクワクしています。よろしくお願いします。(ベルリンご在住の30歳女性)
専門的な日本語教育の知識を身に着けたい
現在ドイツに在住し、日本語を教え始めたため、もっと専門的な知識を身につけたいため。(Magdeburg/マクデブルクご在住の31歳女性)
ドイツで新しいことを始めたい
ドイツに在住です。新しいことを始めたいのでこちらの講座を見つけました。(Unterfoehring/ウンターフェーリングご在住の33歳女性)
夫婦で日本語教師を目指す
同時に申し込んだ場合、受講料の割引などがあれば、2名(夫婦)での受講を希望します。(Krefeld/クレーフェルトご在住の33歳男性)※教材が共有できる場合、ご家族割引が適用されます。
オンライン日本語教師として
すでに日本語教師の仕事を個人的にしており、今もオンライン教師として働いています。オンラインで教えながら少し時間が出来、専門課まで修了させておきたいという気持ちが強くなりました。どうぞよろしくお願いいたします。(ベルリンご在住の35歳女性)
40歳台
母語を説明するのは難しいので
日常を外国語(ドイツ語)で過ごしていますが、実は母語である日本語文法は、聞かれても説明することが難しいという事が分かり、この講座で日本語に対する理解が大きくなるよう努力したいと思います。本日、無事、ハンブルクにて教材を受け取りました。ワークシートのデータのほうも無事に手元に届いておりますので、来週より少しずつ始めていきたいと思っております。これからの受講期間、宜しくお願いいたします。(Hamburgご在住の42歳女性)
一石二鳥(ハーフの我が子に教え、語学学校でも働きたい)
ドイツで語学学校の講師として働きたいため。自分の子どもに日本語を教える必要があるため。(Herzogenrath/ヘルツォーゲンラートご在住の42歳女性)
まずは配偶者から教えたい
動機は、国際結婚に伴いドイツに移住し、地元の大学に日本学部があることから日本語教育へ興味を抱いたこと。目的は、ドイツ人の配偶者へ日本語を教えることから始め、可能であればドイツで日本語を教えたいと考え、日本語教師の資格取得を検討していました。お世話になりますが、どうぞよろしくお願いいたします。(Bochum/ボーフムご在住の45歳女性)
50歳台
60歳台
帰国後に備えて
在独20年近いのですが、60歳に成ったのを契機に、最近帰国も視野に入れています。音楽の仕事で一筋生きてきましたが、その経験を生かして、さらに帰国した際に何かこちらでの経験を生かせることを考え、資格を取ろうと思いました。まだ具体的な帰国する時期は未定ですが、しっかり準備できる環境にあるかと思います。また日本語の歌を通して、日本語の素晴らしさを伝える良い機会に出来れば、と考えています。(Hamburgご在住の60歳女性)
また、実際に受講された方からは以下のような感想をいただいています。
「は」と「が」の違いや14代表動詞
日本語を文法的に具体的に学ぶという経験をあまりしてきていないため、たとえば「は」と「が」の使いかたや文法的な意味などが知れてよかったと思います。また、「は」と「が」と同じように、14代表動詞を用いた文法解説の方法を、実際の指導法を含めて学ぶことができ、指導書やワークシートに取り組みながら、実際に自分が教壇に立った際のイメージを深くすることができたのが、とても印象深かったです。単に文法や用法を学ぶだけではない、実際に日本語教師として活動していく上で大切なことをたくさん学ぶことができたというのが今の実感です。(Zorneding/ツォルネディング ご在住の31歳女性)