求人票

海外の求人情報を見ていると、稀に違和感を感じる表記を見かけることがあります。

例えば、採用条件(応募資格)に「独身」といった表記です。

独身

この表記だと、では「採用後、勤務中に結婚すると解雇されるのか?」と変な勘ぐりを働かせる人が出てきてしまうかもしれませんが、そういう意味ではなく、単に「単身」(家族帯同不可)ということを言いたかっただけのことで、何か「ワケあり(趣味)で独身者を探している」とか「既婚差別主義者である」、そんな深い意味はありません。

単身の方でないと、

  • 家族帯同を希望しても、家族分のビザが発給できない
  • 結局、家族、特に子どもと離れ離れになっていることを理由に契約期間(1~2年等)に満たないうちにすぐに辞めてしまうことが多い

等々の理由によるものです。

そういう意味合いを「独身」という単語で表現したかったのですが、現地に何十年か住んでいると、日本人でも日本語がおろそかになってきて、日本語のその辺りの微妙な表現ができなくなり、「独身」という直接的な表現になってしまうようです。

この辺りは、今、外国人増加で日本国内で必要となってきている「やさしい日本語」の必要性に通じるものがあり、難しい単語での表現ではなく、直接的で簡単な表現じゃないと外国人に日本語が通じない、のと同じで、日本人でも海外在住歴が長くなると「外国人化」してくるので、「やさしい日本語」的な日本語しか使えなくなってくるというものです。

また、求人者は現地に長らくいるため、最近の日本の労働施策総合推進法(旧・雇用対策法)で禁止されている表記事項を知らない(疎い)ということも影響しています。
(そもそも海外法人の海外での採用募集に日本の法律がそのまま適用するのか、という問題もありますが・・・)

年齢制限

海外の求人は就労ビザが絡んできますので、その国のビザの取得条件で年齢制限がある以上、求人における年齢制限表記は仕方のないこと(むしろ表記しておかなければならないこと)です。

年齢制限の年齢は国や職種、ビザの種類によっても様々ですが、下は「30歳以下」から「35歳未満」~「55歳まで」「60歳まで」など、いろいろな年齢制限の数字が見られます。

その数字の横に、一言「ビザ取得条件により」といった主旨の説明を添えていればよいのですが、舌足らずな場合が多いです。

海外の学校や幼児教育機関は、少人数でまわしているところが多く、求人掲載依頼をする採用担当者はたいてい、現場の先生で、求人掲載に関する知識がほとんどなく、校長や園長に「求人広告出しといて」と言われて、細部がうやむやなまま求人原稿を提出してしまうことが多いのが原因と思われます。

いずれにしても、海外の求人者が出している求人で、変な表現があったとしても、それは悪意がなく、単に説明不足なだけの場合が多いので、疑問に思ったら、その求人情報に掲載されている連絡先へ、求人者本人に直接、問い合わせて確認するのが一番です。