日本語教育能力検定試験独学開始時期

国家資格(登録日本語教員)制度施行後、令和6(2024)年度以降の日本語教育能力検定試験およびその資格としての効果については、こちら『今後、日本語教育能力検定試験はどうなるか 』をご参照ください。

以下は、令和5(2023)年度までの状況をふまえた過去の記事となります。ご了承ください。

 

質問
Q. 日本語教育能力検定試験を独学で勉強して合格したいと考えています。「国家資格(登録日本語教員制度)でどうなるかわからない」とか「難易度が高い割には、実際にはあまり役に立たない」とか言われていますが、やはり日本語教師を目指す限り、受けておくに越したことはない気がします。しかし、できるだけお金はかけたくないので、独学合格を考えています。そこで質問なのですが、だいたいみなさん、いつ頃から勉強を始めているのでしょうか。独学で合格する人は、やはり1年以上前からみっちりやっているものでしょうか?

回答
A. 個人差があることですが、だいたい前年の12月頃に情報収集から開始して、年末年始・1月頃から勉強をし始めるパターンが多いようです。その理由は何点かありますので、以下に説明します。

12月から始める理由

12月から日本語教育能力検定試験に関して動き出す人が多い理由は、以下の複数の要因が関係してきます。

理由1:気分一新の時期

年賀状を書くシーズンでもあり、また、「一年の計は元旦にあり」という言葉があるように、新年または新年度になるのをきっかけに、「来年は何しよう?」「来年こそは!」ということで、新たな学び事(資格取得等)へのチャレンジを考え始める人が多くなるのが12月です。

理由2:検定試験の概要発表

通常、12月下旬に直近の試験結果が発表され、続いて翌年度の日本語教育能力検定試験の試験要項が発表されるので、世間の注目が集まります。

試験日程やどの都市で開催されるか、受験料、出願時期などが公表されます。

理由3:関連本・雑誌の販売

「日本語教育能力検定試験 合格する本」なども12月に発売されます。

日本語教育能力検定試験合格するための本日本語教育能力検定試験
合格するための本

だいたい試験に関する基礎的・全般的な情報は、この「日本語教育能力検定試験 合格する本」で網羅できますので、検定を受けようと思っている人が最初に手に取るマニュアル本でもあります。

その他、直近の検定試験の解説や傾向なども12月以降、続々と出そろってくるので、いろいろな周辺情報が得やすくなってきます。

まずはこうした本を12月に何冊か買ってみて、年末年始の休み中に、ざっと読んだり、冷やかしがてら、例題を少し解いてみたり・・・を始めるのが典型的なパターンです。

理由4:試験結果の通知

10月の試験の合格(不合格)通知が12月末に届くので、不合格だった人、または試験を受け損ねた人などが、12月に仕切り直しを考えるようになります。

理由5:実際は残り半年くらいしかない

12月ですと、次の試験まであと10ヶ月以上あるように見えますが、実際は残り6ヶ月くらいしかありません。

【ポイント】出願時期が早い
なぜなら試験の申し込み期間(出願期限)が6月~8月なので、6月くらいまでに、ある程度勉強を済ませておかないと、その年、試験を受けるか否か決断できないためです。つまり、実質「1月~6月の6ヶ月間に、いかに準備を済ませておくか」がカギになります。

検定独学で合格するためのスケジュール

出願後の3ヶ月は、それまでの6ヶ月で培った基礎を元に、追い込み・復習・過去問の反復学習・苦手分野克服などの細部調整的な学習がメインになります。

6月頃になって慌てて出願して、3ヶ月の詰め込み学習で試験に臨んでしまうのは、不合格者によくあるパターンです。

以上のような理由から、12月頃から日本語教育能力検定試験についてソワソワし始める人が多いです。

ウェブ(ホームページ)のアクセスから分かる世間の動向

実際、弊社のウェブサイトのアクセスを見ていても、12月頃から検定の勉強を始める人が多いことがうかがえます。毎年、以下と同じようなウェブ閲覧者の動向が確認できます。

10月末~12月

まず。日本語教育能力検定を何度も受験する人はいるのかというページへのアクセスが伸びます。これは受験して自己採点した人などが「あーダメだ、自分は不合格だ」と思って、次回のリベンジを考えていることの現れと見受けられます。

11月~12月下旬

併せて、検定申込から合格・不合格まで:日本語教育能力検定試験のページへのアクセスも増えます。これは試験を受けた人が受験後の流れを確認したい、どうな形で結果通知が来るのか?合格/不合格通知を気にしている、といったことがうかがえます。

12月

その次に日本語教育能力検定試験とはのページへのアクセスが増加します。これは検定試験について基礎的・全体的な情報を人々が求め始めていることを意味しています。

つまり、翌年度の検定試験の受験を考え始め、情報収集を始めた、ということです。

12月~1月

そして年末年始前後には、独学10ヶ月での合格体験記(日本語教育能力検定試験)という独学の全体的なスケジュールを示したページや、12冊の独学で合格した方法(日本語教育能力検定試験) という、「具体的に独学合格するには予算はどのくらい」で「どのテキストを買えばよいのか?」などが書かれたページへのアクセスが増えます。つまり、みなさんがいよいよ具体的に試験勉強を始めつつあることがうかがえます。

1月~3月

日本語教育能力検定試験の過去問が販売され、最新の過去問がアマゾンでベストセラーになったりします。併せて検定試験の過去問を通信教育で解説指導などのページのアクセスが伸びます。

まとめ

上述の通り、日本語教育能力検定試験を受験しようと考えている人々の行動パターンは決まっており、ルーティン化しています。つまり、これと同じようなスケジュールを立てて、あとは勉強量が伴えば、独学で合格する可能性は高いと言えます。

対策講座も結局 同じ

検定に合格するには、何か検定対策講座を受けなければならないのではないか?と思い込んでいる人もいますが、実際は独学で合格する人は多いです。

検定対策講座をとっても、「体系だてられている」というだけであって、現在は、ネットの普及によって、体系だてられたスケジュールは、個人でも簡単にスマホで把握できる時代となっています。

また、検定対策講座の内容は、結局、市販のテキストに書かれている内容とほとんど同じです。検定対策講座が6万円~とか10万円~など、それなりの値段であるのに対し、自分で市販のテキストを買いそろえれば2万円台で済みます。

以上のように、独学で合格するにはもうマニュアルはおおよそ決まっているので、わざわざ検定対策講座など受ける必要もなく、流れにそって淡々と独学してけばよい、ということになります。

国家資格(登録日本語教員)云々で、資格商法が激化し、日本語教師になるには、とにかくお金がかかるような仕組みが構築されようとしている現在、日本語教育能力検定試験は独学・格安でチャレンジしてみる価値はあるかと存じます。

 

国家資格(登録日本語教員)制度施行後、令和6(2024)年度以降の日本語教育能力検定試験およびその資格としての効果については、こちら『今後、日本語教育能力検定試験はどうなるか 』をご参照ください。

上記は、令和5(2023)年度までの状況をふまえた過去の記事となります。ご了承ください。

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